睡眠時無呼吸症候群
ABOUT
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠中に無呼吸を繰り返すことで、様々な合併症を起こす可能性がある病気です。
SASが原因で強い眠気や倦怠感、集中力の低下が引き起こされている場合があります。
全国のSASの潜在患者は人口の2~3%にあたる約300万人ともいわれていますが「氷山の一角」とも例えられるように、
適切な治療を受けている人は限られています。
機能別ME機器市場の中期予測とメーカーシェア(治療器編).
矢野経済研究所,2019,p.171-172
夜中に何度も
目が覚める
起床時に頭痛がする
大きなイビキをかく
夜間頻尿
日中いつも眠い
集中力や記憶力が
低下した
参照:一般社団法人に日本呼吸器学会ホームページ:HOME>市民のみなさまへ>呼吸器の病気>その他>睡眠時無呼吸症候群
日本睡眠学会ホームページ:基礎知識>睡眠障害の基礎知識>I.睡眠異常
日本内科学会雑誌 第93巻 6号,成井浩司,
発行年:2004年6月10日
1.Nieto FJ,Young TB,Lind BK.JAMA 2000;283:1829-1836
2.Mooe T,Rabeen T,Wiklund U.Chest 1996;109:569-663
3.Bassetti C,Aldrich MS.Sleep 1999;22:217-223
4.Punjabi NM,Shahar E,Redline S.Am J Epidemiol 2004;160:521-21
SASを有する場合、合併症のリスクや交通事故の発生のリスク増加、生命予後の不良に繋がるといわれていますが、適切な治療を受けることで予後不良のリスクの軽減や、事故の発生率も健常者とほぼ同等にまで減らせる事が報告されております。
その為SASの早期発見と適切な治療を受けることが重要だと言われています。
日本内科学会雑誌第93巻第6号,成井浩司,
発行年2004年6月10日
He J.KrygerMH.et al.Mortality and apnea Index in obstructive sleep apnea.
Experlencein 385 male patlents.Chest 1988:94:9-14
CAUSE
原因
いびきは、睡眠中に空気の通り道(咽喉(のど))が狭くなり、そこを空気が通るときにのどの壁が振動することによって生じる音です。
つまりいびきをかくということは、気道が狭くなっている証拠といえます。
健常人でも仰向けで寝ると、重力により舌や軟口蓋が落ち込み、気道が狭くなります。
睡眠時は、のどの周囲の筋肉の緊張もゆるみがちになります。
①筋力の低下(加齢)、②舌が重い(肥満)③顎が後退している、扁桃肥大がある、軟口蓋が長い(形態的問題)などの理由で気道がふさがったり、狭くなります。
また④口呼吸していると舌が落ち込みやすくなります。
睡眠中は重力により、軟口蓋、舌根、喉頭蓋が下がり、気道は狭くなります。
鼻やのどに何らかの異常があると気道が狭くなり、睡眠時には気道がふさがり呼吸ができなくなります。
INSPECTION
検査
循環器領域における睡眠時呼吸障害の診断・
治療に関するガイドライン. 2012:p. 1070.
入院不要の検査で当院にて検査可能です。
ご自宅で指先センサと呼吸センサをつけて血液中の酸素と呼吸の検査を行います。
専門の検査施設で入院が必要な検査です。
実施している近隣医療機関へ当院よりご紹介する形となります。
脳波や筋電図などさまざまなセンサを装着するもっとも精密な検査です。
FLOW&COSTS
外来受診後の流れや費用について
呼吸や血中の酸素の状態などで測定し、睡眠呼吸障害の程度を求めます。
当院ではご自宅での簡易検査を行っております(専門業者への委託による)。
健康保険適用で、3割負担の方の場合は約3,000円です。
簡易検査の結果、「睡眠時無呼吸症候群」と診断された方は健康保険でCPAP治療を受けることができます。費用は、3割負担の方の場合は1カ月あたり4,500円です。
鼻づまりなどの症状に対し、スプレー薬などを処方する櫃ようがある方は、処方せん料などが追加で発生します。
CPAP設置後は、毎月1回の通院をお願いします。
CPAP圧が合っているかどうか、不具合がないか、体重の増加はないかなどを伺いながら指導を行います。CPAP機器の持参は不要です(機器の種類によっては、解析のために来院時にデータカードの持参をお願いする場合がございます)。
もしも具合が悪いときは、随時ご来院ください。
※2018年4月時点の情報です。
※その他医療行為等ある場合、
追加費用が発生する場合がございます。
TREATMENT
治療
CPAP(シーパップ)療法(持続陽圧呼吸療法)はCPAP装置からホース、マスクを介して処置された空気を気道に送り、常に圧力をかけて気道が塞がらないようにします。
この療法を適切に行うことで睡眠中の無呼吸やいびきが減少し、OSASによる症状の改善が期待されます。CPAPは治療効果が高い治療法です。
CPAP療法は検査を行い一定の基準を満たせば健康保険の適応になります。
下あごを前方に固定して空気の通り道を開くようにする装置を装着し就寝します。
口腔内装置の作成は、健康保険の適応になります。
気道閉塞の原因がアデノイド肥大や扁桃肥大などの場合には、手術で取り除くことがあります。
また、鼻閉を起こす鼻疾患は、CPAPや口腔内装置の治療を妨げるため手術が必要となる場合があります。
生活習慣の改善のみでOSASを治すことは難しいですが、他の治療と組み合わせることでOSASを軽減できます。また、少しでも良い睡眠がとれるように、眠りにつきやすい環境を整えることも必要です。
肥満が原因でOSASになっている場合には、効果があります。
4年間にわたり体重の変動とAHIの変動について観察した結果では、10%の体重の減少でAHIが26%減少したという報告もあります。
Peppard PE, et al. JAMA 2000;284(23):3015-3012
少しでも重力の影響を受けないよう、
体を横向きにして寝ると症状が軽減する場合があります。
アルコールは、のどの筋肉をゆるめる作用があるため、いびき、無呼吸を起こしやすくします。また寝つきが良くなることもありますが、夜中に目が覚めたり、浅い睡眠を増やす作用もあります。