高血圧
ABOUT
血圧とは
血圧とは、血液が流れるときに血管の壁に与える圧力です。
心臓は、常に全身の細胞に酸素や栄養を届ける血液を送り出しています。
この血液が心臓から押し出されて血管(動脈)を通るとき、血管の壁に与える圧力が血圧です。
血圧には、「収縮期血圧」と「拡張期血圧」があります。
「収縮期血圧」は、心臓が収縮して血液を全身に送り出すときに血管の壁に与える圧力です。
「拡張期血圧」は、心臓が拡張し、血液を取り込んだとき血管の壁にかかる圧力です。
日本高血圧学会による「高血圧治療ガイドライン2014」では、診察室で測定した場合、収縮期血圧40mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上を高血圧としています。
高血圧治療ガイドライン2014
SYMPTOMS
高血圧による症状
高血圧では、血管の壁に高い圧力が常にかかっているため、血管の壁が障害され、壁が厚くなり、動脈硬化を起こします。また、動脈硬化があると、血管は弾力を失い、血圧はさらに高くなります。
このように高血圧と動脈硬化は、悪循環を起こすことになります。 脳の血管が障害されると、脳出血、脳梗塞になります。心臓の冠動脈(心臓に栄養を送る動脈)が障害されると、狭心症や心筋梗塞になります。
高血圧に糖尿病、脂質異常症、肥満などの生活習慣病が合併すると、高血圧による血管の障害は進行し、動脈硬化は益々ひどくなります。 その結果、脳出血、脳梗塞、狭心症や心筋梗塞などによって死亡する危険度が増えます。
高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満の4つが揃った状態は「死の四重奏」と言われています。
CAUSE
高血圧の原因
高血圧の80~90%は、原因疾患がはっきりしないので「本態性高血圧」と言われてきました。
しかし、本態性高血圧の発症には、遺伝的素因よりも、食生活や運動不足、ストレスなどの環境要因が関係していることがわかってきました。親が高血圧だと、体質が遺伝して高血圧になりやすいと言えますが、体質が遺伝するのであって、高血圧が遺伝するのではないのです。つまり、日頃から生活習慣に注意することによって高血圧を予防できるのです。
また、高血圧の人は、日常の生活習慣に注意し、降圧薬を服用するなどして血圧を上手にコントロールすることによって、健康な人と同じ生活を送ることができます。
軽い運動をする
疲れすぎないように
睡眠は十分に
TREATMENT GOAL
高血圧治療の目的
高血圧治療の目的は、脳や心臓への障害を予防し、その進行を抑えることです。降圧薬は血圧をさげ、その結果、臓器への障害を抑えることが証明されています。
さらに、糖尿病、脂質異常症などの合併症がある場合には、それらに悪影響を与えない降圧薬を選ぶことが大切です。
高血圧治療の基本は、生活習慣の改善です。 食事や運動療法に加え、日常生活の注意として、禁煙、ストレス解消を心がけましょう。 それでも、血圧が高い場合に、降圧薬による治療を開始します。 降圧薬を服用していても、生活習慣の改善は、続けなければなりません。
食事療法
運動療法
日常生活の注意
THERAPY
具体的な高血圧治療
食事療法の中心は、減塩です。食塩に含まれるナトリウム(Na)を、多く摂り続けると、血圧が上がることは疫学的にも認められています。 食塩を現在の半分以下に減らす必要があります。
カロリーの摂りすぎも高血圧をきたしますが、その他に、肥満、糖尿病、高尿酸血症、脂質異常症の原因にもなります。ただし、タンパク質は、血管を構成するのに必要な栄養素ですから、不足しないよう良質のタンパク質を摂りましょう。
運動の種類としては、酸素を取り込みながら行う有酸素運動、たとえばウォーキングや水泳、ランニングなどが適しています。また、運動中「ややきつい」と感じるけれども、楽に会話ができるペース「ニコニコペース」を意識して運動してください。
NOTICE
降圧薬を服用する場合の注意
降圧薬を服用しはじめると薬に頼り、食事療法や運動療法がおろそかになりがちです。 降圧薬を服用していても、生活習慣の改善は必要です。 血圧の状態や合併症によって処方される薬も異なりますので、医師の指示を守って服用してください。
医師の指示を守る
生活習慣の改善
水かぬるま湯で服用
毎日、きちんと服用する
身体の状態を
医師に伝える