高尿酸血症(痛風)

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高尿酸血症と痛風

高尿酸血症とは、「血清尿酸値」(血液中に溶けた尿酸の量)が基準値を超えた状態をいいます。

尿酸値が高い状態が続くと、尿酸が血液中で溶けきれなくなります。すると、血液の中で結晶となり、関節や臓器に沈着します。そこにストレスや激しい運動、尿酸値の急激な変動など何らかのきっかけが加わると、沈着していた尿酸の結晶が関節の中で剥がれ落ちます。すると、白血球がそれを排除しようと格闘するために、関節の炎症が起きます。

こうして、ある日突然激しい痛みを伴う発作が起こることを、「痛風発作」(痛風関節炎)といいます。

関節炎部位イメージ

発作は1~2週間程度で治まりますが、原因である高尿酸血症を放っておくと発作を繰り返します。

痛風発作のリスクは、「血清尿酸値が高ければ高いほど」、また「高い状態が長く続くほど」、高まっていきますので、たとえ発作が治まっても治療しなければ悪化する一方です。

定期的に血液検査を受け、悪化する前に早期発見し、血清尿酸値をきちんとコントロールすることが大切です。

治療の流れ

【ステップ1】痛風発作(痛風関節炎)を鎮める

すでに痛風の発作が起こっている患者さんであれば、まず最初の治療目的は発作を鎮めることになります。

【ステップ2】高尿酸血症を是正する

尿酸値が高い状態「高尿酸血症」には、様々な合併症があります。尿酸値をコントロールし合併症を防ぐことが、二番目のステップです。この治療を行うことで、痛風発作の予防にもなります。

【ステップ3】合併症を防ぐ

高尿酸血症の合併症は多岐にわたり、命にかかわる病気にもつながる傾向があります。治療のステップ3は、これらの合併症を防ぎ、心臓病や脳卒中などの重傷の病気を予防することです。

痛風の治療ステップ

ここにご注意

痛風の発作を治める薬と、尿酸値を下げる薬は、それぞれ別の薬です。

まず最初はステップ1として、痛風の発作を鎮める薬を服用して症状を治め、そのあとにステップ2で尿酸値を下げる薬を服用することになります。

といいますのも、痛風は尿酸値が高いために起きる病気ですが、痛風の発作は、尿酸値が上がった時だけでなく、急激に下がった場合にも起きやすいことが分かっているためです。つまり、発作中は尿酸値をなるべく変動させないことが治療の原則になっています。

ですから、まずは痛風発作を治める治療を行い、発作が治まってから、尿酸値を下げる薬を服用することとなります。

なお、すでにステップ2の尿酸値を下げる薬を服用する段階に進み、きちんと服用している方が発作を起こした場合は、そのまま服用を続けてください。

さまざまな合併症の引き金になる高尿酸血症

高尿酸血症をそのままにしておくと、痛風だけでなく、腎障害(慢性腎臓病)や尿路結石などの合併症を招く原因となります。

また、高尿酸血症は、脂質異常症(高脂血症)・糖尿病(耐糖能異常)・高血圧など、メタボリックシンドロームを構成する生活習慣病を合併することが多いです。これらの病気が悪化することで、血管障害が進行し、脳血管障害(脳卒中)や虚血性心疾患など、命にかかわる病気までも引き起こすことがあります。

命にかかわるような病気にかかることを防ぐためにも、できるだけ早く、尿酸値を適正にコントロールする治療を行いましょう。

合併症

尿酸値を下げる薬物療法について

痛風発作が治まると症状を感じなくなるため、一見病気が治ったように見えますが、原因である高尿酸血症は何も解決していません。ここからが本当の治療の始まりです。尿酸値を下げる薬で、体内に蓄積した尿酸を溶かして排出し、痛風発作や合併症を予防します。

患者さんの症状と検査結果に応じて、お薬での治療を行います。

・痛風発作などの症状がある患者さん: ・・・血液中の血清尿酸値が7.0mg/dL以上

・症状のない無症状高尿酸血症の患者さん:
 ・・・【合併症(※)のある方】血清尿酸値8.0mg/dL以上
 ・・・【合併症のない方】血清尿酸値8.0mg/dL以上

※合併症:腎障害、尿路結石、高血圧症、虚血性心疾患、糖尿病、メタボリックシンドロームなど

治療は焦らず、着実に。

・尿酸値は、ゆっくり下げましょう。
 血液中の尿酸の濃度が急激に下がると、関節などに沈着していた尿酸の結晶が一気に溶け始め、それがきっかけになって痛風発作が起こる場合があります。この発作を防ぐために、医師の指示に従い、ゆっくりと段階的に尿酸値を下げていく必要があります。

・尿酸値は、しっかり下げましょう。
 尿酸値を目標値まで下げたら、その状態をしっかりと維持しましょう。痛風発作が起こらないレベルまで尿酸値を下げる生活習慣を続けていくことが、心筋梗塞や脳卒中のような様々な合併症の予防にもなります。

・医師の指示に従い、定期的に受信しましょう。
 薬の服用は、医師の指示に従いましょう。たとえ症状を感じなくても、自己判断で薬を減らしたり止めたりしないようにしましょう。高尿酸血症や痛風の治療は、継続していくことが大事です。定期的に診療を受けながら、根気よく治療を続けましょう。